ビジネスホテルの謎のおっさん

これは2chに投稿された体験談です。

 


 

1階のロビーに飲み物買いに行ったんだけど、自販機がある狭い通路を塞ぐようにして人が立ってた。
ガラケーを片手に、カメラをこっちに向けるように持ってこっちを見てる。
作業着を着ていて痩せ型、後ろは刈り上げの短髪、目は細い。
見た目、四十代くらいのおっさんだった。

 

気味が悪くてエレベーターに引き返す。
すると、ゆっくり後から付いてきてエレベーターに乗り込んだ。
二人きりの空間になってしまい、ドアが閉じる。
おっさんは4階を押す。
物言えぬ恐怖を感じたので自分の部屋は7階だったんだけど、8階を押した。
静かに上がるエレベーターの中、おっさんが横目にこっちを見るいるような気がしたけど、気にしないようにして虚空を見ていた。

 

4階に着いて、おっさんはゆっくりエレベーターから出て行く。
ちなみに片手の携帯はずっと自分の正面を構えたまま。
でもエレベーターの扉が閉じたので、内心ホッとした。
8階に着いたけど、飲み物買いたいな、もういないから安心だと1階へまた戻ることにした。

 

そしてエレベーターに乗る。
1階へ下りていく。
ドアが開いて、さっきの自販機に向かうと

いるんだよ、さっきのおっさん

 

8階から下る間におっさんがまた同じ場所で、同じ構えでいたんだよ。
本当に怖くなってすぐ折り返す。
少し早足で。

するとおっさんが追いかけてくるんだよ。
チラッと見ると聞き取れないけど、口を早口に動かしながら今度は怒った表情で

 

エレベーターに乗って急いで7階を押す。
扉がなんとか閉まった。

なんでだ、何が目的何だと思考を巡らせてしまう。
額には汗が滲んでた。
感じたことのない恐怖だった。

もう部屋に戻ることにして、7階へ行く。

 

7階に着く。
扉が開いて、あり得ないとは思いつつも周りを確認する。
流石にいないみたい。
そして、目に付かないように急いで部屋に入った。
動悸はすぐに収まらなかったけど、安心した。
汗かいたから風呂に入った。

 

風呂も上がって恐怖は薄れた。
時間も遅いし寝ようかと思い布団に入る。
そしたらいい表せないけどスザッ、スザッって音が聞こえて来るんだよね

 

近いような遠いような、音の元が分からない。
でも確かに聞こえる。
方向が特定できた。ドアの向こう側だ。

擦れるような音、鳴り止まない

 

掃除のおばちゃんが何かしてるんだろうか。
にしても、こんな時間に?

覗き穴を覗いてみた。

 

見えたのはそのおっさんの横顔で、見えた瞬間心臓が締め付けられる感覚になった。
探されてるのかも知れない。

そして二回目に逃げた時、素直に自分の部屋の7階を押していたことに気づいた。
階数が特定されてた。

 

多分、おっさんは7階を行ったり来たりしてる。
私を見つけるために。
理由は分からない。


冷めると思うけど、後は部屋に籠もって朝になったらいなくなってた。
気味悪くて、朝食も食べずにチェックアウトした。
そもそも喉通りそうもなかったし。

ちなみに、音は裸足でカーペットの上歩くからスザッっていうんだと後から気づいた。

 

ちなみに数ヶ月前の話で関東圏のビシホ
今住んでるとこからかなり離れてるし、特に何もないから大丈夫だと思いたい。

ただ、あの時の恐怖は言葉じゃ伝えられないけど本当に怖かった。
何を考えてるか分からない、何をされるか分からない人とエレベーターで二人きりだもの。